コンサート聴きある記

 行って参りました“京子さん、長崎おっかけ音楽会”に。池田京子さんの初めての長崎公演を、私達(山添、国友、川田)の友人である尾崎純子さんが主催されるというので、9月27日早朝、羽田を発って長崎へ!!尾崎さんから綿密な計画表が届いておりましたので、午前中、尾崎さんが御一緒してくださって「花月」でしっぽく料理をいただくころには、既に長崎通になっている3人でした。 「5時には会場に来てね」と一足先にコンサート会場へ向かわれた尾崎さんの言葉に、「7時開演なのにちょっと早すぎるけど、何かお手伝いできたら良いわね」と会場に着いた私達を待っていたのは、もうちゃんと役割が決まって印刷されている予定表で、三人の名前もしっかり決まっておりました。チョッピリでもお役にたてるのが嬉しくて、三人とも大張り切りで、入り口でのモギリやCDの販売を致しました。6時半開場の前に長い列が出来てしまい、五分早めて開場致しましたから、7時10分前には満席となってしまいました。
 京子さんの素晴らしいソプラノと平島さんのピアノも息が合って、それはそれは楽しい音楽会でございました。お帰りのお客様が感激してくださったことは、その日持って行ったCDが全部売切れてしまったことが証明してくれたようでございます。尾崎さんのお力には、心から敬服致しました。
 翌日からの2日間、尾崎さんの御案内で、池田京子さんと5人の長崎巡りの旅は、あまりにも楽しいことが多すぎて、今日の紙面ではとても足りません。特に28日は、夕方の飛行機の時間まで御一緒された安藤社長が、熟女5人に囲まれて男性一人、楽しかったのか怖かったのかと案じております。3泊4日の長崎の旅は、尾崎さんの心のこもった御案内と、素顔の京子さんが大変にチャーミングで益々ファンになってしまいました。お二人に心からのありがとうを申し上げて終わりにしたいと思います。(山添・国友・川田)

荻窪の音楽祭参加

 さる5月19日、「歌はともだち」と題するミニコンサートに、京子さんが出演されました。

 「クラシック音楽を楽しむ街・荻窪」の会が主催する「第5回荻窪の音楽祭」参加、二期会後援ということで、荻窪ゆかりのソプラノ、メゾソプラノ5名の出演で、会場は知る人ぞ知る名曲喫茶ミニヨンでした。プログラムは、いろいろな持ち味の演奏者が交互に歌うメドレーを取り入れ、最後に手話を交えた「ふるさと」を演奏するなど工夫をこらしたものでした。

 ゲストにクラリネット、バンジョー、チューバのディキシーランドジャズトリオも出演し、彼らの伴奏でフォスターのメドレーも、演奏されました。

 小さい会場のため入場者数が限られましたが、響の会からも周辺に住む会員が集りました。

 11月には第6回の音楽祭にも参加するそうです。今度は会場が杉並公会堂になりますので、多くのお客様にお聴きいただけます。日時が決まり次第、会員の皆様にお知らせしますので、どうぞ、お誘い合わせて荻窪へお越し下さい。

クロイゾンホール、華やかに幕を閉じる

 響の会にいつも会場を提供して下さっていたクロイゾンホールが、昨年12月をもって閉じることになりファイナルガラコンサートが開かれました。
 平成2年にホールがオープンしてから12年間、年に約4回、計50回近く開催されたクロイゾンコンサートには、京子さんもたびたび出演されました。お客様の多くが響の会の会員となられたことから、ここであらためてご紹介する必要はないかと思いますが、クラシックのみならず雅楽、津軽三味線、文楽といった多彩なプログラム・出演者の演奏を80名余という定員で聴かせるという、採算度外視のメセナともいえる大変贅沢なコンサートでした。演奏者の表情を間近に拝見し、演奏の合間のお話に一流の演奏者のお人柄、音楽に対する情熱が直に伝わり、大きなホールでは味わえない感動をもたらしてくれました。
 最終回はこれまでの数多くの出演者の中から、バリトン:佐藤光政、サクスフォン:須川展也、コントラバス:村上満志、ピアノ:小柳美奈子・平島誠也、ソプラノ:池田京子という超豪華な顔ぶれで12月26日に行われました。暮れも押し迫った時期にも関わらず、定員を超える100名以上のお客様が、ホールにお別れに集りました。
 プログラムは、須川さんのサクスフォンと京子さんによるミュージカル「オズの魔法使い」より“Over the rainbow”で、ホールは一度閉じるけれど虹の彼方に希望はあるという思いを込めてスタートし、続いて平島さんの伴奏による京子さんのソロで、オペラ「ラ・ボエーム」よりミミのアリア“さようなら”が歌われました。

 次に、コントラバスとソプラノのために書かれためずらしい作品、ボッテジーニの「愛された口もと」を村上さんと京子さんのデュオでしっとりと、またがらっと雰囲気を変えて須川さん、小柳さんによるピア・ソラのタンゴなどが華やかに演奏されました。

 佐藤光政さんは「宵待草」など日本のなつかしい歌を情緒たっぷりに、京子さんとは“ヴィリアの歌”をまた須川さんとのデュオで“サマータイム”を聴かせて下さいました。

 最後は出演者全員によるメリーウィドーワルツの演奏でしたが、あまりにも息のあった楽しいステージに「このユニットでツアーを組んだら?」といった声も聞かれるほどでした。

 銀座の中心にあって、日常の忙しさの合間にひととき、本当に心から音楽を楽しませてくれたクロイゾンホールに、あらためてお礼を申し上げます。

コンサート聴きある記

 さる9月26日、名古屋のしらかわホールでひさしぶりに「池田京子ソプラノ・リサイタル」が開催されました。ほぼ一ヶ月前に京子さんも出演された第11回日本テレマン協会名古屋公演があったばかりで、お客様の入りが心配されましたが、そこは京子さんのこと、多くのファンがお越しになり、700席の会場も8割を超える聴衆の熱気で溢れることとなりました。普通は中年の女性客ばかりが目に付くこの手のリサイタルですが、年配の女性は勿論、若い女性、男性などの姿も多く、京子さんのファン層の広さにあらためて驚きました。

ロミオとジュリエットを歌う京子さん

「様々な舞台?サロン・歌劇場・文芸酒場にて」というタイトルのもと、第一部はロッシーニとベッリーニの明るいイタリアの歌曲とオペラのアリア。今年が“日本におけるイタリア年”ということで、またベッリーニの生誕200年を記念して組まれたプログラムですが、何といっても「ロミオとジュリエット」のジュリエットのアリアが、圧巻でした。

 第二部はちょっとシックなドレスに着替えて、マーラーとシェーンベルク。中でも没後50年にあたるシェーンベルクの「キャバレーソング」は初めて聴いた作品でしたが、大人の粋な楽しみを堪能できました。プログラムノートで、ちょっと滑稽ともいえる風刺のきいた内容を知り、現代音楽の巨匠といったイメージだったシェーンベルクに親しみがわきました。平島誠也さんとの呼吸もピッタリで、さすがに二人の作る音楽はすばらしく、知らず知らずのうちに引き込まれていってしまいました。
 アンコールは日本歌曲を含めて4曲。サービス精神旺盛な京子さんの本領発揮です。うち1曲はステージに腰をかけ、お客さんの目線で歌うなど、パフォーマンスも決まって大成功でした。

 今回のプログラムは、ふだんクラシックを聴いている方から、あまりお聴きにならない方まで、誰もが楽しめる内容だったと思います。これだけ楽しんで4千円とは、随分お値打ちだと感じました。その分京子さんのお疲れは大変だったと思いますが、きっとご本人も満足感に溢れたリサイタルだったことでしょう。

 来年は、CD録音、テレマン東京定期演奏会にご出演が決まっているときいております。いよいよ円熟みを増した京子さんのご活躍が、楽しみです。 (J)

バッハイヤー2題

 この夏「名古屋国際室内楽フェスティバル2000」が行われました。プラハのアフラートゥス・クィンテットや、ベルリン・フィルの第一コンサートマスターの安永 徹と市野あゆみデュオ・コンサートなど全9公演の豪華なプログラムが組まれ、その一夜を飾って日本テレマン協会の定期演奏会がザ・コンサートホールで開かれました。1991年に始まったこの名古屋公演も今年で10回を迎え、“J.S.バッハ没後250年記念コンサート”と題してのメモリアルコンサートとなりました。このコンサートに京子さんも出演され、コーヒー・カンタータ「そっと黙って、お喋りなさるな」を熱唱されました。

 また10月12日は彩の国さいたま芸術劇場・音楽ホールで、名誉会員の金昌国さんが音楽監督をなさっている「カンマーアカデミー与野」の第24回定期演奏会“J.S.バッハとモーツァルトの夕べ”行われました。 バッハとモーツァルトは野球ファンにとっての長嶋王のようなものという金昌国さんのお話から始まり、京子さんはバッハの「マニフィカト」で青山聖樹さんのオーボエ、「復活祭オラトリオ」で金さんのフルートと共演されました。「クリスマスオラトリオ」は金さんの指揮でカンマーアカデミー与野のメンバーをバックに歌われましたが、いつものように京子さんの演奏される宗教曲は澄んだ声で格調高く、他の、なじみの深いプログラムの構成とともに、本当に満足したコンサートでした。

このちょっと変わった見出しのグッドモーニングコンサートが、6月27日ザ・コンサートホールで行われました。

 朝10:45開演の本格的クラシックコンサートは珍しいですが、これは普段子育てで夜出かけられないママ達のための、託児付きコンサートなのです!

 朝から熱いオペラの世界は歌い手にとっては大変だそうですが、このような企画が各地で行われはじめているとのことです。この日もピアノ・ヴァイオリン・ソプラノと3回にわたる企画の一つで、新進気鋭のバリトン・木村聡をゲストに迎え、華やかなオペラの世界が繰り広げられました。

11月、京子さんが出演された「ヘンゼルとグレーテル」を拝見して、その舞台美術が素敵でした。

まず何もない舞台に大きな本が登場して、みるみるうちに主人公達の家に変わり、天井からは樹が描かれた布が次々と降りて来て、背景の森が作られます。

森で迷った2人がみる夢に14人の天使が登場するシーンは、半透明の幕と光の効果で幻想的でした。

そして魔女がヘンゼルを焼いて食べてしまおうとして、結局自分が入ってしまうかまどの炎は、まるで本物のようでしたが、花粉をガスで爆発させていて、触っても熱くないそうです。最後に魔法が解けてお菓子の家が崩れていくシーンは、出演している京子さんも何度見ても感心してしまう、とのことでした。中高生のためのオペラ教室という催しですが、引率の先生のような歳の私も十分楽しみました

大原千晴氏
大原千晴氏

 桜の花が満開の4月8日、午後2時より銀座クロイゾンホールで第5回総会が開かれました。
例年通り、会長の挨拶・会計報告等がおこなわれた後は、会員の大原千晴氏による講演と、京子さんを囲んでの懇親会で楽しく過ごしました。
 大原氏は南青山、根津美術館の近くで、英国銀器の骨董店を営んでいらっしゃいます。豊富な経験・知識と巧みな話術に加え、銀器に対する思い入れの深さが聞く者を惹き付け、美しいスライドもあり、本当に充実した楽しいひとときでした。皆さん、時間があればもっとお話をうかがいたいと思われたのではないでしょうか。
 懇親会でも、大原さんを囲んで、話は歴史やイギリスの政治・経済へとはずんでいたようです。また京子さん自らピアノを弾きながら「ロンドンデリー」「庭の千草」を歌われました。「総会」というと堅苦しいイメージで、敬遠してしゅっせきされない会員もいらっしゃるとお聞きしました。今までご案内不足で誤解をされているかもしれませんが、形式的な部分はほんの数分で、後はこのように楽しいないようです。
 来年からは、堅い呼び名は変えてお知らせいたします。京子さんとはもちろん、会員同士も、親睦を深めることができるよい機会ですので、どうぞ皆様ご参加ください。

  1999年9月10日午後7時より、西新宿のホテルセンチュリーハイアットで催された「池田京子ディナーショー」には、90名のお客様にお越しいただきました。
 会場にはパステルカラーのクロスを掛けた大小のテーブルが並び、ステージ前に京子さんのイメージによる立ち木を模した花が左右に飾られ、華やかさを演出しました。なお、この花は響の会から提供させていただきました。
  お食事はこのショーのために特別に用意したメニューで、フランス料理のフルコースを味わいました。少し量が多かったというご意見もありましたが、十分お楽しみいただけたようです。

 ショーは、東京カンマーコレーゲンの演奏による軽快な「メリーウィドーマーチ」で幕が上がり、「チリビリビン」を歌いながら京子さんが登場して始まりました。一転、会員からのリクエストによる「天使のパン」をしっとりと聴かせた後は、京子さんのウィットに富んだお話しをはさみながら、「プラター公園の春」「ウィーン我が夢の街」「オペラ舞踏会より~別室へ行きましょう」と続きました。カンマーコレーゲンはウィーン音楽を中心に演奏活動を行う室内楽団で、初めての共演にも関わらず、京子さんとの息もぴったりと合っていました。
 後半はドレスをピンクからグリーンに替え、客席をまわりながら「ハローワルツ」を、ステージに上がってマイフェアレディーから2曲「メリーウィドーより~ヴィリアの歌」と歌い、最後は「こうもりより~チャルダッシュ」で盛り上がりました。

 プログラムの中には、カンマーコレーゲンのレパートリーからのお勧めによる「ハローワルツ」等、いくつかの新しい曲目も加わり、素晴らしい演奏でした。
 ホテルのバンケットルームでのショーという初めての試みで、進行や音響・照明の面などでいろいろ反省するべき点もありましたが、会員の皆様のおかげでご好評のうちに終えることができ、京子さん始めスタッフ一同、感謝しております。

ショーの後で京子さんを囲んで
ショーの後で京子さんを囲んで

 去る3月26日行われた千代田区公会堂音響リニューアル・コンサートの記事が建築業界4紙に掲載されました。このコンサートの様子が、竹中工務店のプロモーション・ビデオの中で紹介されたのをはじめ、同社のホームページ(http://www.takenaka.co.jp/)にも京子さんの歌入りで紹介されたりと、今まさに音響関係の仕事に力を入れはじめた竹中工務店の、さながらキャンペーンガールになったかのようです。