バッハイヤー2題

 この夏「名古屋国際室内楽フェスティバル2000」が行われました。プラハのアフラートゥス・クィンテットや、ベルリン・フィルの第一コンサートマスターの安永 徹と市野あゆみデュオ・コンサートなど全9公演の豪華なプログラムが組まれ、その一夜を飾って日本テレマン協会の定期演奏会がザ・コンサートホールで開かれました。1991年に始まったこの名古屋公演も今年で10回を迎え、“J.S.バッハ没後250年記念コンサート”と題してのメモリアルコンサートとなりました。このコンサートに京子さんも出演され、コーヒー・カンタータ「そっと黙って、お喋りなさるな」を熱唱されました。

 また10月12日は彩の国さいたま芸術劇場・音楽ホールで、名誉会員の金昌国さんが音楽監督をなさっている「カンマーアカデミー与野」の第24回定期演奏会“J.S.バッハとモーツァルトの夕べ”行われました。 バッハとモーツァルトは野球ファンにとっての長嶋王のようなものという金昌国さんのお話から始まり、京子さんはバッハの「マニフィカト」で青山聖樹さんのオーボエ、「復活祭オラトリオ」で金さんのフルートと共演されました。「クリスマスオラトリオ」は金さんの指揮でカンマーアカデミー与野のメンバーをバックに歌われましたが、いつものように京子さんの演奏される宗教曲は澄んだ声で格調高く、他の、なじみの深いプログラムの構成とともに、本当に満足したコンサートでした。

このちょっと変わった見出しのグッドモーニングコンサートが、6月27日ザ・コンサートホールで行われました。

 朝10:45開演の本格的クラシックコンサートは珍しいですが、これは普段子育てで夜出かけられないママ達のための、託児付きコンサートなのです!

 朝から熱いオペラの世界は歌い手にとっては大変だそうですが、このような企画が各地で行われはじめているとのことです。この日もピアノ・ヴァイオリン・ソプラノと3回にわたる企画の一つで、新進気鋭のバリトン・木村聡をゲストに迎え、華やかなオペラの世界が繰り広げられました。

11月、京子さんが出演された「ヘンゼルとグレーテル」を拝見して、その舞台美術が素敵でした。

まず何もない舞台に大きな本が登場して、みるみるうちに主人公達の家に変わり、天井からは樹が描かれた布が次々と降りて来て、背景の森が作られます。

森で迷った2人がみる夢に14人の天使が登場するシーンは、半透明の幕と光の効果で幻想的でした。

そして魔女がヘンゼルを焼いて食べてしまおうとして、結局自分が入ってしまうかまどの炎は、まるで本物のようでしたが、花粉をガスで爆発させていて、触っても熱くないそうです。最後に魔法が解けてお菓子の家が崩れていくシーンは、出演している京子さんも何度見ても感心してしまう、とのことでした。中高生のためのオペラ教室という催しですが、引率の先生のような歳の私も十分楽しみました